AIのべりすとと比べるAI小説ツール

この記事はTypeTakチームが書きました。比較の対象に自社の製品が含まれているので、その点を踏まえてお読みください。そのぶん公式の資料を根拠にし、どのツールにも偏らないよう心がけました。価格と機能は2026年10月時点の各サービスの公式ページにもとづいており、今後変わる可能性があります。価格はドルで載せ、日本のサービスであるAIのべりすとだけ円で載せています。比較表の「—」は、公式の案内で確認できなかった機能です。

AIのべりすととは?

AIのべりすとは、Bit192が運営する日本語の文章生成AIです。書きかけの文章を入れて「続きの文を書く」を押すと、AIがその文章の口調や書き方をまねて続きを書きます。日本語の文章を大量に学習させた自社のモデルを使っていて、ライトノベル風、恋愛小説風、戦国時代ものといった文体のMODを選べば、同じ書き出しでも別の語り口で続いていきます。

アカウントを作れば無料で始められ、有料の会員になるとAIが一度に読める文章が長くなります。小説のほか、AIとのチャットやテキストゲームのような使い方もできます。

書き手がAIのべりすとを使う理由

日本語で書く — AIのべりすとのモデルは、学習データの大半が日本語の文章です。地の文が多い文章を入れれば地の文が、セリフの多い文章を入れればセリフが多く返ってくるので、自分の書き方に近い続きを受け取れます。

続きを書かせて選ぶ — 気に入らなければRetryで別の続きを出し、Undoで前に戻ります。リトライの履歴はまとめてコメントとして残せるので、よさそうな分岐をとっておいて、あとで別の道を選び直せます。

無料で始める — 無料のアカウントでも、AIは最大24,000字まで前の文章を読みます。生成した文章は私的にも商用でも自由に使えて、AIのべりすとを使ったと書き添える必要もありません。

ここからは、AIのべりすとを、自社製品のTypeTak、海外のAI小説ツールで日本語の画面もあるNovelAI、汎用AIチャットのChatGPT・Claudeと並べて比べます。比べるのは、続きの生成と草稿、設定の記憶、書き直し、原稿の扱いの4つと料金です。

1. 続きの生成と草稿

機能 AIのべりすと TypeTak NovelAI ChatGPT · Claude
書いた文章の続きを書かせる 続きの文を書く ブラッシュアップの続きを書く 続きの生成 会話で依頼
気に入らない続きを出し直し、前の分岐に戻る Retry · Undo · リトライ履歴 言い換えの候補から選ぶ 再生成 · 分岐 依頼し直す
場面のあらすじを書いてから、その流れで書かせる (ブラケット)で注釈 執筆プラン Author's Note 会話で依頼
章ひとつ分の草稿を受け取る 生成を重ねる 草稿 生成を重ねる 会話で依頼
草稿の文字数を合わせる
文体を選ぶ・自分の文章から文体を学ばせる 公式MOD · 自作MOD 執筆スタイル Author's Note プロジェクトの指示に書く
小説向けに作られたモデル 日本語の自社モデル 独自モデル

書いている途中で手が止まったとき、続きを少し出してもらうのか、場面ごとまとめて受け取るのかで、合うツールが変わります。

少しずつ書き継ぐ — AIのべりすとは、本文の続きを少しずつ書き、書き手がそれを直したり消したりしながら進みます。間違った口調を直しておけばAIもそれに合わせ、放っておけばその口調のまま進むので、手を入れるほど流れが安定します。本文に(ブラケット)で場面の筋を書いておくと、そこから30行から100行ほど、その筋に沿って話を展開します。NovelAIも同じように短い続きを重ね、受け取った続きを分岐として残します。

「AIはすでに書かれている文章の口調や書き方、フォーマットを真似しようとします。」
— AIのべりすと ヘルプ

場面ごとに受け取る — TypeTakでは、エージェントに場面や章の草稿を頼みます。先に執筆プランのカードでアウトラインと分量を見て直し、確定するとその計画どおりに書きます。1話の文字数が決まっている連載なら、決めた文字数に合わせる工程が草稿のあとに入ります。書いている途中で一段落だけ足したいときは、カーソルメニューのブラッシュアップから続きを書かせます。ChatGPTとClaudeでも、会話で頼めば場面ごとの草稿を受け取れます。

TypeTakワールドのボード。会話で決めたプロットをカードにまとめ、そこから草稿を書きます。

文体を合わせる — AIのべりすとのMODは、読み込ませた文章のテーマや文体に寄せて書くよう、AIを調整する機能です。公式のMODを選ぶほか、自分の文章から自分用のMODを作って、ほかの人と共有することもできます。TypeTakでは執筆スタイルに視点や文のリズム、セリフと地の文の割合を書いておくと、草稿がその基準に沿います。自分の文章のサンプルを読ませて、文体をまとめてもらうこともできます。

2. 設定の記憶

機能 AIのべりすと TypeTak NovelAI ChatGPT · Claude
人物・場所・設定を項目にまとめる キャラクターブック ワールド Lorebook プロジェクトにファイルでアップロード
名前が出てきたら、その設定をAIに渡す タグ キーワード プロジェクトのファイルを参照
AIに渡す位置・分量を項目ごとに調整 @range · @priority
会話で決めた設定をまとめて整理
人物がどこに登場し、どう変わったかをたどる 展開
人物の相関図(グラフ)
AIが一度に読む前の文章の長さ 無料24,000字 · ボイジャー48,000字 · プラチナ約300,000字 エージェントが原稿とワールドを探して読む プランによる プランによる

連載が10話、20話と続くと、AIが前に決めた人物の口調や能力を忘れることが増えます。AIは一度に読める文章の長さに限りがあるので、4つとも、設定を本文とは別の場所に書いておき、書くときにあわせて読ませています。

名前が出たら設定を渡す — AIのべりすとのキャラクターブックは、人物や用語ごとにタグを決めておき、そのタグが最近の本文に出てくると設定をAIに渡します。@rangeで何文字前までを見るか、@priorityでどの位置に差し込むかを項目ごとに決められるので、場面に合わせた補足を入れる脚注としても使えます。NovelAIのLorebookも、キーワードと差し込む位置・長さを項目ごとに細かく決めます。

前の文章をどこまで読むか — AIのべりすとは、会員のコースによって読める文章の長さが変わり、無料で24,000字、ボイジャー会員で48,000字、プラチナ会員なら約300,000字までの本文をあわせて読みます。300,000字は、文庫本2〜3冊分にあたります。

会話でつくる世界観 — 話しているうちに設定が積み上がる。 TypeTakでは、エージェントと話して決まった人物や場所、ルールがチャット入力欄の下のワールド待ちにたまり、整理するを押すとワールドに整理されます。エージェントは書く前に原稿とワールドを自分で探して読むので、第3話で決めた設定を第30話で参照するときも、その設定の項目と該当する話を開いて確かめます。

TypeTakワールドの人物の項目。プロパティと関係、書式つきの本文をひとつの画面で確認できます。
TypeTakワールドの関係グラフ。欄に書いた関係が線でつながります。

人物がどう変わったか — TypeTakのワールド整理は章を読みながら、人物がどこで何を経験したかを展開に一行ずつ書きます。各行には登場した原稿のページがつくので、押せばその箇所が開きます。欄に書いた関係は関係グラフの線になり、人物が増えても全体の構図をひとつの画面で見渡せます。

3. 書き直し

機能 AIのべりすと TypeTak NovelAI ChatGPT · Claude
選んだ文を書き換える 本文を直してから続きを書かせる 言い換え 会話で依頼
描写・セリフを足す 注釈で指示 ブラッシュアップ 会話で依頼
原稿へのフィードバック フィードバック 会話で依頼
直す文へのコメントと代案 添削 ChatGPTのキャンバスのSuggest edits
誤字・文法のチェック 校正・校閲 会話で依頼

草稿ができたあとは、文を磨く時間のほうが長くなります。AIのべりすととNovelAIは、書き手が本文を直し、その本文から続きを書かせる進め方です。AIのべりすとでは脚注に「ここから視点を変える」のような指示を書いておくと、そのあとの続きに反映されます。

文を選んで直す — TypeTakでは、エディタで文を選んで直します。言い換えでは書き換えた候補をいくつも見比べ、ひとつ選べばすぐ原稿に入ります。ブラッシュアップにはシーン化、セリフ追加、心の声など、方向の違うツールが9種類あります。

TypeTakの言い換え。選んだ文を書き換えた候補を複数表示します。

原稿全体を見てもらう — TypeTakのフィードバックは、原稿を読んでワールドの設定と食い違う箇所まで指摘し、校正・校閲は誤字や不自然な表現に印をつけます。ChatGPTとClaudeは、原稿を貼り付けて講評を頼むと長く詳しく答えてくれます。

4. 原稿の扱い

機能 AIのべりすと TypeTak NovelAI ChatGPT · Claude
表示言語 日本語 · 英語 10言語 英語 · 日本語 多言語
章やページに分けて原稿をまとめる 作品ごとの本文 原稿 · 章 · ページ ストーリーごと
ルビ・傍点を打つ ショートカット(|《》)
原稿用紙換算の枚数を見る
原稿をファイルに書き出す PDF · DOCX · TXT · EPUB(PDF · EPUBは縦書きも)

AIで書いた文章も、最後は投稿サイトに載せたり、公募に出したりする原稿になります。そこまで同じ場所で進めるかどうかで、使い方が変わります。

投稿までの原稿 — TypeTakでは、AIと書いた文章がそのまま原稿のページになり、章に分けてまとめます。ルビ|本文《よみ》と傍点《《本文》》はショートカットで打てて、文字数はルビの読みを除いて数えます。エディタの下では原稿用紙換算の枚数も確かめられ、PDFとEPUBは縦書きで書き出せます。

入力した文章の扱い — AIに自分の原稿を読ませるなら、その文章がどう扱われるかも気になるところです。AIのべりすとの利用規約は、送受信する内容を同意なくサーバーに保存したり閲覧したりしないこと、保存される内容は利用者だけが知るキーで暗号化することを定めています。あわせて、AIが動くサーバーの中では送った文章が暗号化されずに処理されるため、100%の機密性は保証されないとも書いています。TypeTakでは、書いた文章がAIの学習に使われることはありません。AI機能で使うプロバイダーも、受け取った内容を学習に使わないという条件で利用しています。

料金

項目 AIのべりすと TypeTak NovelAI ChatGPT · Claude
ずっと使える無料プラン
有料の価格 月¥1,166 / ¥1,980 / ¥3,465 月$12 / $40 月$10 / $15 / $25 月$20から
無料トライアル 7日間 テキスト生成50回
有料で増えるもの 読める文章の長さ · 生成の速さ AIの使用上限 読める文章の長さ · 生成は無制限 AIの使用上限 · 使えるモデル

無料で使い続ける — AIのべりすと、TypeTak、ChatGPT、Claudeには無料で使い続けられるプランがあります。AIのべりすとの無料アカウントは、24,000字までの本文を読んで続きを書きます。TypeTakの無料プランは、AIの使用上限が一定期間ごとにリセットされます。

長く読ませたいなら — AIのべりすととNovelAIは、上のコースほどAIが一度に読める文章が長くなります。TypeTakは、プランが上がるとAIの使用上限が増え、忙しい月だけ追加AI使用上限を増やすこともできます。

AIのべりすと — 無料、ボイジャー 月¥1,166、ブンゴウ 月¥1,980、プラチナ 月¥3,465(税込)。TypeTak — Pro 月$12(年払いなら月$9)、Max 月$40(年払いなら月$29)。NovelAI — Tablet 月$10、Scroll 月$15、Opus 月$25。ChatGPT — Plus 月$20、その上にPro。Claude — Pro 月$20(年払いなら月$17)、Max 月$100から。

どんな書き手に何が合う?

書き手が求めること AIのべりすと TypeTak NovelAI ChatGPT · Claude
日本語の続きを少しずつ書かせて選ぶ 続きの文を書く · Retry ブラッシュアップの続きを書く 生成無制限 会話で依頼
自分の文章から文体を覚えさせる 自作MOD 執筆スタイル Author's Note プロジェクトの指示
設定を積み上げながら長い連載を続ける キャラクターブック ワールド · 展開 Lorebook ファイルを直してアップロード
1話の文字数に合わせた草稿を受け取る
ルビや原稿用紙換算まで含めて、投稿する原稿を仕上げる
無料で長い本文を読ませる 24,000字まで 無料プランの使用上限 無料プランの上限

AIのべりすとが合う書き手

  • 日本語で、自分の文章の続きを少しずつ書かせながら物語を進めたい書き手
  • 気に入らない続きを出し直し、よかった分岐を残して比べたい書き手
  • 自分の文章から文体のMODを作ってみたい書き手
  • まず無料で、AIと書く感覚を試してみたい書き手

TypeTakが合う書き手

  • 話数が増えても、AIに前の設定どおり書いてほしい連載の書き手
  • 1話で書く文字数が決まっている書き手
  • ルビ、原稿用紙換算、縦書きの書き出しまで、ひとつの場所で原稿を仕上げたい書き手

NovelAIが合う書き手

  • 回数を気にせず生成し続けたい書き手
  • 設定をAIに渡す位置や分量を細かく調整したい書き手

ChatGPT・Claudeが合う書き手

  • いつも使っているAIチャットで、短い文章から書いてみたい書き手
  • 執筆以外にも、いろいろな仕事にAIを使っている書き手

よくある質問

AIのべりすとに入力した文章は、ほかの人に見られますか?

AIのべりすとの利用規約では、送受信する内容を利用者の同意なくサーバーに保存・閲覧せず、ストレージに保存される内容は利用者だけが知るキーで暗号化するとしています。そのうえで、AIが動くサーバーの中では暗号化されずに処理されるため、100%の機密性は保証しないと書いています。気になるときは、利用規約の「プライバシー」の項目を読んでから使ってください。

AIのべりすとは無料でどこまで使えますか?

無料のアカウントでも続きの生成を使え、AIは最大24,000字までの本文を読みます。有料の会員になると、読める文章が長くなり、生成も速くなります。

AIのべりすとで書いた小説を投稿したり、販売したりできますか?

AIのべりすとの利用規約では、生成した文章は私的利用・商用利用を問わず自由に使え、サービスの利用を明記する必要もありません。ただし投稿サイトや公募には、AIを使った作品の扱いをそれぞれ決めているところがあります。主な投稿サイトと新人賞のAI規定は小説にAIを使ってもいい?にまとめています。

AIのべりすとで書いた原稿をTypeTakに移せますか?

はい。AIのべりすとの本文をテキストファイルに保存するか、そのまま貼り付ければ、TypeTakの原稿のページになります。TXT、DOCX、Markdown、HTMLのファイルはインポートで取り込めます。

参考

この記事を共有

今すぐTypeTakで最初の一文を変えてみましょう

TypeTakを始める
実践講座

実例でたどるウェブ小説連載

→

韓国のウェブ小説『黒魔法使いと言われましたが、得意なのは土掘りだけです』1作を、TypeTakで構想から連載直前まで仕上げていく過程をそのままたどります。