爵位の順番一覧|公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵の違いと、小説での呼び方
爵位の順番は、上から公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵です。この五つをまとめて「五爵」と呼び、頭の字をとって「公侯伯子男」と覚えます。
この記事は、異世界ファンタジーや悪役令嬢ものを書いていて、貴族の位や呼び方を確かめたい人に向けて書きました。まず順番の表で答えを出し、そのあと位ごとの違い、表に入らない位、呼び方、作中でよくある間違いの順にまとめています。
ポイント
- 順番は公爵 > 侯爵 > 伯爵 > 子爵 > 男爵
- 大公は公爵より上で、王族かそれに近い家が持つ
- 辺境伯は国境を守る伯爵で、ふつうの伯爵より上に置くことが多い
- 作中では、位よりも呼び方のほうがずっと食い違いやすい
爵位の順番表
| 順位 | 爵位 | 英語 | 夫人・女性 | 作中での呼び方の例 | 立ち位置 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 公爵 | Duke | 公爵夫人・女公爵 | 公爵閣下・公爵様 | 王族に次ぐ。広い領地と兵力 |
| 2 | 侯爵 | Marquess | 侯爵夫人 | 侯爵様 | 国境の守りから生まれた位 |
| 3 | 伯爵 | Earl / Count | 伯爵夫人 | 伯爵様 | 一つの地方を治める領主 |
| 4 | 子爵 | Viscount | 子爵夫人 | 子爵様 | 伯爵の補佐役から生まれた位 |
| 5 | 男爵 | Baron | 男爵夫人 | 男爵様 | いちばん下の爵位。小さな領地 |
五爵はどこから来たか
公・侯・伯・子・男の五つは、古代中国の周の制度にさかのぼる呼び名です。日本では1884年(明治17年)の華族令で、この五つが華族の爵位として使われました。華族制度は1947年の日本国憲法の施行でなくなっています。
ヨーロッパの duke や count を「公爵」「伯爵」と訳すのも、この呼び名を当てはめたものです。そのため、異世界ファンタジーの爵位は西洋の貴族を下敷きにしながら、名前だけは漢字の五爵を使う形がふつうになっています。
位ごとの違い
公爵
いちばん上の爵位です。ヨーロッパでは王の息子や兄弟、大きな手柄を立てた将軍に与えられることが多く、作中では王家と血がつながっている家、王でも無視できない力を持つ家として描かれます。公爵令嬢が悪役令嬢ものの定番なのもこのためです。
侯爵
英語の marquess は「国境地帯(march)」から来た言葉です。国境を守るために兵を持った領主が侯爵になりました。作中では公爵ほど目立ちませんが、軍を握る家として使いやすい位です。
伯爵
いちばんよく出てくる爵位です。一つの地方を治める領主で、貴族社会の中ほどにあたります。
子爵
viscount は「副伯爵」という意味です。伯爵の代わりに土地を治めた役目が爵位になりました。落ち目の家や、成り上がったばかりの家によく使われます。
男爵
いちばん下の爵位です。小さな領地を持つ家や、手柄やお金で新しく貴族になった家が多い位です。「貧乏男爵家の娘」は身分差を作る定番の設定です。
表に入らない位
- 大公:日本語ではどちらも「大公」と訳しますが、中身は二つあります。オーストリア皇族の男子が名乗った Archduke と、小さな国の君主である Grand Duke です。どちらも公爵より上です。
- 辺境伯:国境の地を任された伯爵(ドイツ語 Markgraf)です。異世界ファンタジーでは、魔物の出る国境を守る武門の家としてとてもよく使われます。ふつうの伯爵より上、侯爵と同じくらいに置くことが多い位です。
- 準男爵:イギリスで男爵の下に置かれた世襲の称号(Baronet)です。貴族院には入れず、貴族には数えません。
- 騎士:一代かぎりの称号で、子には継げません。Web小説では「騎士爵」として爵位の一番下に置く作品もありますが、これは作品ごとの設定です。
- 王族:皇帝・国王・王太子・王子・王女は爵位ではなく身分です。爵位表の上に別にあります。
呼び方
作中の呼び方は、実際のヨーロッパの作法よりも、日本のファンタジーで定着した言い方に合わせたほうが読みやすくなります。
| 相手 | よく使う呼び方 | メモ |
|---|---|---|
| 皇帝・国王 | 陛下 | |
| 王太子・王子・王女 | 殿下 | 王族の大公も「殿下」と呼ぶ作品が多い |
| 公爵・大公 | 閣下 | 「公爵閣下」 |
| 侯爵以下 | ○○伯爵・伯爵様 | 目下からは「様」、同格どうしは「伯爵」 |
| 貴族の娘 | 令嬢 | 「○○公爵令嬢」のように家名+爵位+令嬢 |
| 貴族の息子 | 令息 | 「令嬢」と対で使う |
| 貴族の妻 | ○○夫人・伯爵夫人 | |
| 使用人から | 旦那様・奥様・お嬢様・坊ちゃま |
どの呼び方を選んでも、一つの作品の中では同じ人を同じ言葉で呼ぶことが大事です。
爵位の継ぎ方
ヨーロッパの爵位は、多くが長男に受け継がれました。娘しかいないと爵位が絶えたり、近い男の親戚に移ったりすることがありました。「娘が爵位を継ぐ」という設定が事件になるのはこのためです。
書く前に次を決めておくと、話に使いやすくなります。
- 爵位を継ぐのは誰か:長男だけか、長子なら娘もか、王が決めるか
- 跡継ぎをどう呼ぶか
- 爵位を取り上げられることはあるか:反逆・借金・跡継ぎがいないとき
- 新しい貴族はどう生まれるか:戦功、金で買う爵位、結婚
異世界の爵位を自分で決めるとき
爵位の仕組みを現実のヨーロッパそのままにする必要はありません。ただ、次の五つは本文を書く前に決めておくのがおすすめです。
- 何段階にするか。 五爵を全部使うか、公爵・伯爵・男爵の三つにするか。段階が少ないほど読者は迷いません。
- 爵位と領地が結びついているか。 領地のない名ばかりの爵位があるかどうか。
- 王との距離。 公爵が王をけん制できるほど強いのか、王の臣下にすぎないのか。政治の争いはここから生まれます。
- 呼び方の表。 誰が誰をどう呼ぶか。身分の違う二人が互いの呼び方を変える場面は、いい見せ場になります。
- 爵位に何をつけるか。 「エヴァンス伯爵」のように家名をつけるか、「北の辺境伯」のように土地の名をつけるか。
作中でよくある間違い
- 爵位と役職を混ぜる。 宰相・騎士団長・侍従長は役職です。伯爵が宰相を務めることはあっても、宰相は爵位ではありません。
- 呼び方が場面ごとに変わる。 1話で「公爵閣下」と呼んでいた侍女が30話で「公爵様」と呼ぶと、読者は二人の関係が変わったと思います。理由がなければ間違いに見えます。
- 公爵夫人と女公爵を混ぜる。 公爵夫人は公爵の妻、女公爵は自分で爵位を持つ女性です。
- 高い爵位が多すぎる。 一つの夜会に公爵が五人もいると、公爵が特別に見えません。上の位ほど数を少なくします。
- 同じ家の爵位が変わる。 話数が増えるうちに「レイン伯爵家」がいつのまにか「レイン侯爵家」になっていた、ということが起こります。
コピーして使える爵位表
【爵位の仕組み】 国の名前: 爵位の段階:公爵/侯爵/伯爵/子爵/男爵 爵位を継ぐ人: 爵位を失うとき: 新しい貴族が生まれる道: 【呼び方】 国王・皇帝: 王族: 公爵・大公: その他の貴族: 貴族の娘・息子: 使用人から主人へ: 【主な家】 家名/爵位/領地/当主/跡継ぎ/王家との関係
TypeTakで爵位と呼び方をそろえる
TypeTakは、エージェントと一緒に書くAI執筆エディタです。爵位と呼び方を一度決めておき、100話を超えても同じ人を同じ言葉で呼べるようにするために使います。
- 決めた爵位表が一か所に残る。 家や人物ごとに爵位や領地、呼び方をワールドに書いておけば、「この家は伯爵だったか侯爵だったか」と迷ったときにすぐ探せます。
- 書きながら作った家も漏れない。 本文に新しく出てきた家や爵位は、TypeTakがまだ整理されていないと知らせ、ボタンを押すとワールドに整理されます。
- 呼び方の食い違いを見つける。 フィードバックは画面の本文をワールドの設定と照らし合わせます。伯爵と決めた人物を「侯爵様」と呼んだ行があれば、整合性のカードに出てきます。
人物の設定はキャラクターシートのテンプレート、世界全体は世界観の作り方もあわせてどうぞ。
よくある質問
爵位の順番は?
上から公爵・侯爵・伯爵・子爵・男爵です。大公は公爵より上、準男爵と騎士は男爵より下か、貴族に数えません。
辺境伯は伯爵より上ですか?
多くの場合、ふつうの伯爵より上に置かれます。国境を守るために兵と大きな権限を持っていたからです。異世界ファンタジーでは侯爵と同じくらいの位として描かれることがよくあります。
大公と公爵の違いは?
大公は公爵より上です。現実にはオーストリア皇族の男子(Archduke)や小さな国の君主(Grand Duke)を指しました。作中では王の兄弟や、王に近い力を持つ人物として描かれます。
令嬢と令息の意味は?
令嬢は貴族など身分の高い家の娘、令息は息子を敬って呼ぶ言葉です。作中では「家名+爵位+令嬢」の形でよく使われます。
騎士爵は実在しますか?
現実の騎士は一代かぎりの称号で、五爵には入りません。「騎士爵」はWeb小説で爵位の一番下として使われることが多い呼び名で、作品ごとの設定です。
参考資料
- イギリスの貴族
- Debrett's — Forms of Address
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実例でたどるウェブ小説連載
→韓国のウェブ小説『黒魔法使いと言われましたが、得意なのは土掘りだけです』1作を、TypeTakで構想から連載直前まで仕上げていく過程をそのままたどります。