Kindle出版で小説を出すやり方|縦書きEPUBの作り方から表紙・価格設定まで

Kindle出版とは、AmazonのKindle ダイレクト・パブリッシング(KDP)を使って、自分の本をKindleストアで売ることです。登録と出版に費用はかからず、原稿ファイルと表紙画像を用意して価格を決めれば、個人でも小説を電子書籍として出せます。

この記事では、小説を縦書きの電子書籍にする手順を、原稿ファイルの作り方、ルビと傍点、表紙、価格とロイヤリティ、KDPセレクトの順に説明します。KDPの条件は変わることがあるため、数字は2026年10月23日時点のKDPヘルプで確かめたものです。

要点

  1. 小説の原稿はEPUBかWord(DOCX)で用意します。KDPのPDF入稿は日本語に対応していません
  2. 縦書きにするには、原稿そのものを縦書き・右から左へ読む形で作り、KDPでもページを読む方向を選びます
  3. 表紙は縦2,560×横1,600ピクセルが推奨です
  4. 70%ロイヤリティを選べる価格は、2026年7月の改定で250円〜1,650円になりました

Kindle出版の流れ

手順 やること
1. KDPアカウントを作る Amazonのアカウントでサインインし、著者情報、税務情報、支払い先の口座を登録します
2. 原稿ファイルを作る EPUBかDOCXで、縦書き・目次・章区切りまで整えます
3. 表紙画像を作る JPEGかTIFFで、推奨サイズに合わせます
4. 本の詳細を入れる タイトル、著者名、内容紹介、キーワード、カテゴリを入力します
5. 原稿と表紙をアップロードする ページを読む方向を選び、プレビューで表示を確かめます
6. 価格を決めて出版する ロイヤリティのプランと価格を選び、KDPセレクトに登録するかを決めます

原稿ファイルの形式

KDPが電子書籍として受け付ける形式には、EPUB、Word(DOC/DOCX)、Kindle Createで作るKPF、HTML、テキスト、RTFがあります。PDFも選べますが、KDPのヘルプによると対応するのは英語、フランス語、ドイツ語などヨーロッパの言語だけで、日本語の原稿はPDFでは入稿できません。

小説ならEPUBかDOCXが現実的です。

  • EPUBは電子書籍の標準形式で、縦書き、ルビ、傍点、目次を原稿の側で指定できます。Kindleで読まれる見た目を自分で決めたい場合に向いています。
  • DOCXはWordで縦書きにした原稿をそのまま上げられます。ただしKDPは、複雑な書式は正しく変換されないことがあると注意しています。

どちらの場合も、KDPが勧めるKindle Previewerで変換後の表示を確かめてから出版します。

縦書きの電子書籍にするには

Kindleは原稿を縦書きに変えてはくれません。縦書きの本にするには、原稿ファイルの段階で次の2点を指定します。

  • 文字の向き:本文を縦書き(EPUBではCSSの writing-mode: vertical-rl)にします。
  • ページを送る向き:右から左へめくる形(EPUBでは page-progression-direction="rtl")にします。

KDPでは、日本語のように縦書きで右から左へ読む言語の本を登録するとき、ページを読む方向の選択を求められます。原稿の向きと同じものを選んでください。

縦書きにすると、横書きでは気にならなかった表記も見え方が変わります。

表記 縦書きでの扱い
ルビ Web小説で使う |漢字《かんじ》 の書き方はそのままでは振り仮名にならず、文字として表示されます。EPUBでは <ruby> タグに変換します
傍点 《《強調》》 のような記法も同じです。EPUBでは text-emphasis で点を打ちます
2桁の数字 半角の「12」は横に倒れます。縦中横で1文字分に収めるか、漢数字か全角にします
段落の字下げ 地の文の段落は1字下げ、「」で始まる会話の行は下げないのが一般的です
感嘆符と疑問符 「!?」「!!」は縦中横にするか、1文字の記号を使います

表紙画像の作り方

KDPヘルプが示す電子書籍の表紙の条件は次のとおりです。

項目 条件
形式 JPEGまたはTIFF
推奨サイズ 縦2,560×横1,600ピクセル(縦横比1.6:1)
最小サイズ 縦1,000×横625ピクセル
ファイルサイズ 50MB未満
カラー RGB

背景が白やごく薄い色の表紙は、ストアの白い背景と境目がわからなくなります。KDPは3〜4ピクセルの薄い灰色の枠線を勧めています。

ストアの一覧では表紙は小さく表示されます。タイトルが縮小しても読めるか、スマートフォンの画面で一度確かめてください。

価格とロイヤリティ

ロイヤリティは本ごとに35%か70%を選びます。Amazon.co.jpで設定できる価格は次のとおりです。

プラン 設定できる価格 ロイヤリティの計算
35% 99円〜20,000円 税抜きの希望小売価格 × 35%
70% 250円〜1,650円 (税抜きの希望小売価格 − 配信コスト)× 70%

70%の上限は、2026年7月7日の改定で広がりました。KDPヘルプの価格表ではAmazon.co.jpの上限が1,650円になっていますが、上限を1,250円と書いた解説記事がまだ多く残っています。

70%プランでは、ファイルサイズに応じた配信コストが1冊ごとに差し引かれます。挿絵の多い本はファイルが大きくなるので、そのぶん手取りが減ります。また、Amazon.co.jpで70%を受け取る条件としてKDPセレクトへの登録を挙げる解説も多くあります。価格を決める前に、KDPの「ロイヤリティ」のページで今の条件を確かめてください。

KDPセレクトとWeb小説

KDPセレクトは90日単位の無料のプログラムです。登録すると本が読み放題のKindle+の対象になり、読まれたページ数に応じた分配金が入るほか、無料キャンペーンも使えます。そのかわり、登録している間は電子版をAmazon以外で売ったり配ったりできません。

ここで気をつけたいのがWeb小説です。小説投稿サイトで全文を公開したままの作品は、この条件に合わないおそれがあります。投稿サイトに載せた作品をKindleで出すなら、KDPセレクトの規約と投稿サイトの規約を両方読み、公開を一部にとどめるか、KDPセレクトに登録せずに出すかを決めてください。

出版前のチェックリスト

  • Kindle Previewerで、縦書き、ルビ、傍点、章の区切り、目次を確かめた
  • 半角の2桁数字や「!?」が横に倒れていない
  • 表紙が縦2,560×横1,600ピクセル前後で、小さく表示しても題名が読める
  • 内容紹介が結末を明かしていない。応募用のあらすじと紹介文の違いはあらすじの書き方にまとめています
  • 価格が選んだロイヤリティのプランの範囲に入っている
  • Web小説の場合、KDPセレクトの条件と投稿サイトの規約を確かめた

TypeTakで縦書きのEPUBを書き出す

TypeTakは、エージェントと一緒に書くAI執筆エディタです。ここでは、書き上げた小説を、KDPにそのまま上げられる縦書きのEPUBにするのに使います。

  • 縦書きで右から左へめくるEPUBになる。 書き出しで形式をEPUBにし、書式の縦書きをオンにすると、本文が縦書きになり、ページは右から左へめくる向きで書き出されます。章ごとに分かれ、目次も付きます。
  • ルビと傍点がそのまま振られる。 原稿に |漢字《かんじ》 や 《《傍点》》 の書き方で入れておけば、書き出したEPUBでは振り仮名と傍点になります。半角の2桁数字は縦中横に、地の文の段落は1字下げになり、「」で始まる行は下げません。

書き出したEPUBは、アップロードする前にKindle Previewerで一度開いて確かめてください。値段をいくらにするか、KDPセレクトに入れるかは、作品をどこで読んでもらいたいかで決めることです。

よくある質問

Kindle出版に費用はかかりますか?

KDPの登録と出版は無料です。売れたときにロイヤリティを受け取る仕組みで、表紙のデザインや校正を外に頼んだ場合の費用は別にかかります。

小説を縦書きでKindle出版できますか?

できます。原稿のEPUBかDOCXを縦書き・右から左へめくる形で作り、KDPでページを読む方向を選びます。Kindleが横書きの原稿を縦書きに直すことはありません。

KDPで70%のロイヤリティを選べる価格はいくらですか?

Amazon.co.jpでは250円〜1,650円です(2026年7月の改定後)。70%プランでは配信コストが差し引かれます。

表紙画像のサイズはどれくらいですか?

推奨は縦2,560×横1,600ピクセル、縦横比1.6:1です。形式はJPEGかTIFFで、50MB未満にします。

Web小説として公開した作品をKindleで出せますか?

出すこと自体はできますが、KDPセレクトに登録する場合は電子版をAmazon以外で提供しない条件があります。投稿サイトで全文を公開したまま登録する前に、両方の規約を確かめてください。

PDFの原稿は使えますか?

日本語の電子書籍には使えません。KDPがPDFで受け付けるのは英語やフランス語など一部の言語だけです。

参考資料

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