二次創作にAIを使ってもいい?pixiv・カクヨム・AO3のルールと原作ガイドライン

AI執筆エディタをつくっているTypeTakのチームがまとめました。私たちもこのテーマと無関係ではないため、各サイトと権利者が公開している文書だけを根拠にし、出典をすべて載せています。2026年10月15日時点の情報で、ルールが変わればこの記事も更新します。投稿や頒布の前には、それぞれの原文も確認してください。

ひと目でわかるまとめ

二次創作小説がよく投稿されるサイトの中に、AIを使った作品の投稿そのものを禁止しているところはありません。表示のルールがあるのはpixivとカクヨムです。pixivは制作過程のほぼすべてをAIで生成した作品に「AI生成作品」のチェックを求めていて、小説もその対象です。カクヨムはAIの使い方に応じた3つのタグを推奨しています。AO3は投稿を認めたうえでスパムの規定を当てはめ、Wattpadのガイドラインには作品のAI利用についての条項がありません。サイトより先に見ておきたいのは、原作の二次創作ガイドラインです。原作によっては、AIを使った二次創作を禁止したり、使ったことを明記するよう求めたりしています。

サイト AIを使った作品の投稿 表示 そのほか
pixiv 投稿できる 制作過程のほぼすべてをAIで生成した作品は「AI生成作品」のチェックが必須。小説も対象 pixivFANBOX・pixivリクエストへのAI生成作品の投稿は禁止
カクヨム 投稿できる 「AI本文利用」「AI本文一部利用」「AI補助利用」のタグを推奨。対象のコンテストに応募する作品は必須 二次創作小説は「二次創作許諾タイトル一覧」にある作品のみ掲載できる
AO3 投稿できる 規定なし。ユーザーがつくった「Created Using Generative AI」タグがある スパムの規定に反することがある
Wattpad 規定なし 規定なし コンテストThe Wattys 2026は、生成AIを使わないよう強く勧めている

「規定なし」は、規約と運営ポリシーにAIを使った作品を扱った条項がないという意味です。

関連ニュース

サイトごとのルール

pixiv

pixivは2022年10月に「AI生成作品」の設定を導入し、対象に小説と小説シリーズを含めました。設定した作品は、AI生成作品のランキングに分けて集計されます。

2023年5月の規約・ガイドライン改定では、制作過程のほぼすべてをAIで生成した作品を投稿するときは、必ず「AI生成作品」にチェックを入れるよう求めています。同じ改定で、有料支援サービスのpixivFANBOXと、有料リクエストサービスのpixivリクエストには、AI生成作品を投稿できなくなりました。特定の第三者の画風などをむやみに繰り返し模倣した投稿も、禁止行為に加わっています。

同人誌などを販売するBOOTHは、2023年5月のお知らせで、同じ制作技術を使って差別化されていない作品を出品するショップの全出品物を、検索結果に載せないようにすると発表しました。

カクヨム

カクヨムで二次創作小説を掲載できるのは、「二次創作許諾タイトル一覧」にある作品だけです。一覧にない商業作品の二次創作小説は掲載できません。

AIについては、2025年11月のお知らせで、生成AIを使った作品に次の3つのタグをつけるよう推奨しています。

  • AI本文利用: 本文の大半(目安50%以上)がAIによって生成された文章
  • AI本文一部利用: 本文の一部(目安50%未満)がAIによって生成された文章
  • AI補助利用: AIのアイデアや資料をもとに、作者自身が本文を書いたもの

翌日の追記では、AI補助利用は執筆の一部として生成AIツールを意図的に使った場合を指し、検索サービスや日常的なツールのAI補助機能、ワープロソフトの自動校正は含まないと説明しています。タグがランキングに影響しないことも明記されています。

AO3

AO3を運営するOTWは、2023年5月のお知らせで、AIで全部または一部を生成した作品を禁止する条項は利用規約にないと説明しました。そのうえで、AIで生成した作品はスパム対策の規定に反することがあるとしています。たとえば、短い作品を大量に投稿するような使い方です。

表示のルールはありません。「Created Using Generative AI」タグはAO3が定めたものではなく、書き手が自分でつけているタグで、確認した時点で1万1千件あまりの作品についていました。

Wattpad

Wattpadのコンテンツガイドラインで、AIが出てくるのは実在の人物を扱った作品でのディープフェイクの禁止だけです。コンテストThe Wattys 2026の応募要項には、生成AIを使わないよう強く勧めるという一文があります。校正やアウトライン作り、文法チェックのツールを使うかどうかは、書き手の判断に任されています。

先に原作のガイドラインを確認します

二次創作は他人の作品を借りて書くものなので、サイトのルールより原作者の意向が先に来ます。公式の二次創作ガイドラインがある原作なら、AIについての条項があるかどうかをまず確かめます。

中には、AIについての条項を設けているガイドラインもあります。確認できた例は次のとおりです。

原作 AIについての条項
ENG-AGEの舞台作品 生成AIを使った二次創作物の製作・公開を禁止
Solight(VTuberグループ) AIを使った二次創作をすべて禁止
あおぎり高校(VTuberグループ) 認めたうえで、投稿時にAIを使ったことを示すハッシュタグか文言を必ず入れるよう求めている

カプコン、ANYCOLOR(にじさんじ)、ウマ娘のガイドラインには、確認した時点でAIの条項はありませんでした。

ガイドラインがない原作でも、原作者がSNSなどでAIを使った二次創作を望まないと示しているなら、その意向に従うのがファンとしての礼儀です。

「AIが書いた文章」と「AIで整えた文章」

ルールがあるサイトでも、AIを使ったというだけで表示を求めているわけではありません。pixivが対象にしているのは「制作過程のほぼすべてをAIによって生成した作品」で、カクヨムは使い方によってタグを3つに分け、ワープロソフトの自動校正は含めていません。Wattysも、校正やアウトライン作り、文法チェックのツールは書き手の判断に任せています。おおむね、次のように分かれます。

  • 表示の対象にならない側: アイデアを相談した、原作の設定を調べた、誤字を直した
  • 表示を考える側: AIが書いた文章が本文にそのまま残っている、とくに本文の大半がAIの文章である

自分の使い方がどちらに入るか迷うなら、何をAIに任せたのかを話ごとにメモしておきます。あとで表示を決めるときに、すぐ答えられます。

表示するならこう書きます

ルールがなくても自分から書いておけば、AIを使った作品を避けたい読者も選べます。キャプションや本文の冒頭に一行で足ります。

  • 「本文の一部に、AIが書いた文章を手直しして使っています。」
  • 「アイデアの整理と誤字チェックにAIを使い、本文は自分で書いています。」
  • カクヨム: 使い方に合ったタグ(AI本文利用・AI本文一部利用・AI補助利用)
  • AO3: Additional Tagsに「Created Using Generative AI」

AO3では、2025年のAI学習用の収集騒動もあって、AIに敏感な読者が多くいます。海外向けに投稿するなら、タグをつけておくほうが読者との行き違いを減らせます。

TypeTakで書くなら

TypeTakは、エージェントと一緒に書くAI執筆エディタです。二次創作小説の書き方やキャラ崩壊・解釈違いを防ぐにはで紹介したように、キャラ解釈メモをワールドに置き、書き終えた場面をフィードバックで見比べる、という使い方です。こうした使い方は、上でいう「AIで整えた文章」の側です。

エージェントから下書きを受け取った場合、その記録は履歴に残ります。AIの下書きが入ったバージョンといまの原稿を比べれば、そのあと自分でどれだけ書き直したかを確かめて、表示を決められます。

よくある質問

pixivに投稿する小説も「AI生成作品」のチェックが必要ですか?

制作過程のほぼすべてをAIで生成した作品なら必要です。「AI生成作品」の設定は、小説と小説シリーズにも適用されます。

カクヨムに二次創作小説を投稿できますか?

「二次創作許諾タイトル一覧」にある作品の二次創作なら掲載できます。AIを使った場合は、使い方に合わせて3つのタグのどれかをつけることが推奨されています。

誤字チェックにだけAIを使いました。表示は必要ですか?

確認したサイトの中に、そうした使い方まで表示を求めているところはありません。pixivの基準は「制作過程のほぼすべて」をAIで生成した作品で、カクヨムはワープロソフトの自動校正をAI補助利用に含めていません。

AO3にAIで書いた作品を投稿してもいいですか?

投稿できます。AO3はAIで生成した作品を禁止していないと説明しています。ただし、大量投稿のようにスパムの規定に当たる使い方はできません。AIに敏感な読者が多いので、タグで示しておくのがおすすめです。

原作のガイドラインはどこで探せますか?

公式サイトの「二次創作ガイドライン」「ファン活動ガイドライン」「ファンコンテンツガイドライン」といったページを探してください。ゲームやVTuberでは、公式サイトのいちばん下のリンクから入れることもあります。

改訂履歴

  • 2026-10-15 — 公開

参考資料

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